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  1. さてクロスレヴューの名物と言えば、編集長だった中村とうようの歯に衣着せぬ評。平気で2点3点という低評価を連発し、伝家の宝刀「0点」もしょっ ちゅうでした。有名なところではパブリック・エネミーに2作連続0点をつけたり、トム・ウェイツに-10点などとありえない点をつけたり。せっかくなの で、その0点つけられたレコードを抜き出してみましょう。なんか趣味悪いな。なおタイトル等は当時の表記に従ってます。

    • 1981年
    • ロンドンの街角/ロックパイル (どんなことやってるのかと思ったら、ナント60年代前半のアメリカを真似したような音楽だった)
    • 愛の瞬間/ジャーメイン・ジャクソン (美女と酒でも酌み交しながら聞き流してたら楽しいかもしれないが、あいにくそんな機会もなく、評論するために聞くにはとても苦痛)
    • スリー・マントラス/キャバレー・ボルテール (とにかく実につまらないアルバムだ。クラシック音楽かが自分をクラシック音楽家ときめたとき救いがたく陥る精神的怠惰さとまったく同質のものをここに感じる)
    • 1982年
    • ワーズ・フロム・ザ・フロント/トム・ヴァーレイン (ほんとに音楽を聞く耳を持たない人は、こういう思わせぶりにコロッと引っかかってしまうらしい。イヤですねえ)
    • 1983年
    • スリラー/マイケル・ジャクソン (黒人のもっともダラクし果てた姿を見せつけられた気がする。いまの黒人音楽をぼくがキライなのはこういう手合いがエバってるから。…1980年という時代にこんなにも安っぽい音楽が作られたことを後世の歴史家のための資料として永久保存しておくべきレコード)
    • 別れの美学/ソフト・セルII (ロック・ヴォーカルはヘタでもやれるか?という疑問に、やれます、と答えているのがこのレコード)
    • ファイナル・カット/ピンク・フロイド (聞き終わった感想をひとくちで言えば、アホラシー、ということ。…もったいぶり、コケおどし、大ゲサ、以外に使える形容詞は見当たらない)

    あれ、ここまで意外と少ないな(笑)。 スリラーも0点だったですね。私は当時読んだ記憶がありません。この頃、ミュージックマガジンは私にとって「友達に借りて読むもの」だったので、ちょうど飛ばしちゃったかも知れませんね。

    このクロスレヴューは、4人全員の意見が一致するよりもバラバラに割れる時の方が面白い。レコードの評を読んでいるというよりは、「このレコードをこの評論家はどう評価するのか」てことを読むことになるからです。

    では1984年以降。どんな奴らだったか忘れてる人もいれば、ビッグネームもいる。評というか悪口の一節だけを取り出すと誤解があるかも知れません、全文(といっても200字強ですが)は本にあたってください。

    • 1984年
    • アライヴ・シー・クライド/ドアーズ (モリスンて自分で自分をカリスマだと思い込んでいる尊大さが露骨なんだもん)
    • 悪夢/サイキックTV (これだけぼくの嫌いな要素ばかりまとめ上げたようなのも珍しい)
    • タイム・アンド・ザ・リヴァー/ザ・ボンゴス (ヘタであることを恥じもせずやる音楽、エリート集団に属する連中の大らかさで何でもやっちゃうという態度、それが無邪気であればあるほどオレは胸くそ悪くなり、バカ,死ネ、とののしるだけだ)
    • 1985年
    • ファンズ/マルコム・マクラレン (この前のレコードはかなり感心したり気に入ったりして、けっこう持ち上げてやった(注:「俺がマルコムだ!」10点)のに、これはナンダ。がっかりさせやがって…)
    • 恋愛道/デル・フエゴス (例の出来損ない60年代風の、ガレージ・パンクってやつ。もうヘドが出そうなほど不愉快になる)
    • ドント・スタンド・ミー・ダウン/デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ (ヨーロッパ的ということならケイト・ブッシュの10倍ぐらい白人特有のワキガの臭気にあふれている…北中くんがソウルの誤解曲解と書いていたのはまさに当たり)
    • 1986年
    • サイコ・キャンディ/ジーザス&メリー・チェイン (いかにも大鷹(注:俊一。常連の評論家)好みのグループだ。ぼくはこういうのはゴメンこうむりたい)
    • レイン・ドッグ/トム・ウェイツ (出た。オレのいちばんキライなやつ。嫌悪というより憎悪している。(-10点))
    • ジャイアンツ/ザ・ボルショイ (最悪!最低!聞くに耐えない。不快感を与えるための音楽ってのがあるとしたら、これがまさにそうだ)
    • フラッグ/リック・ジェームス (こいつらは、ご先祖さまの遺産を金モーケに利用することしか考えていない。…歌唱にも演奏にも何の味わいも魅力もない。こんなものちっともファンクじゃない)
    • ラヴ・ミサイル/ジグ・ジグ・スパトニック (なんじゃこれは。こんなものが音楽か! 最後まで救急車のフンガフンガフンガという警笛みたいなもんだけじゃないか)
    • 1987年
    • YO! BUM ラッシュ・ザ・ショウ/パブリック・エネミー (こんなものを面白がっていては黒人音楽の衰亡は加速され、とりかえしのつかぬ破滅を来す。まさにラップは黒人民族の敵だ。一刻も早く撲滅しよう)
    • 1988年
    • リメンブランス・デイズ/ドリーム・アカデミー (注:引用するに憚られる差別的な表現がありますため、省略させていただきます)
    • フラッドランド/シスターズ・オブ・マーシー (こういうミュージシャンがぼくはいちばん嫌いなんだ。大した才能もロクなテクニックもないくせに、大仰にもったいぶって自分を偉く見せようとするやヤツ)
    • パブリック・エナミーII (ラップもラスタも、政治音痴の黒人達が自分の無知にイラ立って上げてる金切り声だ。…ハイプに乗せられるな、と叫んでるがラップこそハイプの最たるものだ。それにしてもこいつらもリズム感が悪いねえ (注:このレヴュー後、中村はPEのチャック・Dと対談します))
    • 新しいメルヘン/アンジー (クロス・レヴューは本来なら全然聞く気のないレコードを強制的に聞かされるのでぼくは降りたいと言ってるのだが 編集部のみんなが降りさせてくれない。そしてこういうレコードを取り上げさせるなんてまるで拷問だ。(注:これが最後の0点。この2か月後、本当にクロス レヴューを降ります))

    以上。これだとあまりに何なので、そのうち彼が10点つけて絶賛したアルバムも抜き出そうかな。